つらいと思っていることに、寄り添う看護
「恋するココロミ」令和4年11月2日放送
今日は、 「つらいと思っていることに、寄り添う看護」 というテーマでお話します 。
「訪問看護」と「訪問介護」の違いをこの番組でお伝えしてきて分かっていただけたかと思い ますが、いかがでしょう 。
どんな印象をもたれたでしょうか 。
訪問看護師は、お体の状態を観察しながら、医療のケアや日常生活で辛いと思われていることに、注目し、出来ることがないか検討、サー ビスを提供します 。
実際に、お宅に伺うと、つらいと思っていることが人それぞれありますね 。
「足のむくみが強く、正座ができない。歩けない」
「足のけがが治らない」
「床ずれがなおらない」
「ご飯がうまく飲み込めない」
「よく転ぶ」
「体が痛くて、動けない」
それをお聞きして、看護師は経験と知識を総結集し、取り組みます 。
主治医に相談し、 ケアマネージャーに報告し、 福祉用具の担当者とアイデアを出し合い、 本人や家族とあーじゃないこーじゃないと意見を出し合い、 そうやって気持ちを寄せて問題に取り組むという場面が多くあります。
これは、なにか物作りの熱意に通じます。
先日、足の難しいけがのある方に、それをよくするための靴をつくりました。そして、併せて一時的に車椅子を使用する必要があり、レンタルしましたが、生活の場 に合わないと、ご本人が返却してしまいました。そこで、自分の子供の車椅子がありましたので、それを使用していただきますと、これがコンパクトで気に入られ、 毎日使ってくださるようになりました。
その靴自体が画期的に傷を治したかどうかは定かではありませんが、急激によくなりはじめました。 そうやって思いを尽くしたことで、ご本人が傷を治すことに積極的になったことは、間違いありません。
利用されている方やご家族は、「そこまで思って行動してくれることがありがたい」 といわれ、笑顔が増えました。 ご本人、家族の気持ちが元気になると、結果がすぐに出てくることがあります。
また、結果がすぐに思うようにならなくても、ゆっくりと結果がでてくることが あります。
そして、ご利用者の方が喜ばれるだけでなく、サービスを提供する側の看護師の喜びにつながり、私たちも元気になります。
「情けは人の為ならず」 利他の精神で精進します
うちのステーションの看護師だけでなく、全国の看護師の皆さんが同じ気持ちであると思います。