2022.10.17

手当

「恋するココロミ」令和4年9月7日放送

今日は、私の看護の原点のお話をしたいと思います。

看護師のケアの一つで「手あて」のお話をします。

私は、看護師として、大学病院の手術室で社会人デビューしました。先進医療の中心にある大学病院の手術室でしたが、師匠に「器械ばかりみないで、あなたの手で患者様に触れて、感じて、癒しなさい」と教えられ続けました。

ナイチンゲールや多くの先輩看護師の方が、伝えてきたことです。

「病の方に対して、心を通わせたいという願い」そのものが看護の心です

私は、このお仕事をするのに、「手で触れることを通して、器械で測る数値だけではとらえきれないことや、わかってほしいという、人の思いまでによりそう」と考え、器械がなくても、どこの国でも、時代がかわってもできる「看護の手あて」を大事にしてきました。

実際に、訪問のお宅には、先進的な医療器械などはありませんよね。そこで、リンパドレナージのようなマッサージや足浴を、しばしば行います。そのことを通して、私たちが、利用者様に「なんとかしてあげたい、その方に何が起こっているか知りたい」を手で伝えて、手からそれが伝わり、受けた方が笑顔になる、そんな場面がよくあります。てあてをされた方は、呼吸や、お腹の動き、身体の動き、足の動きが少しよくなり、リラックスされるのを感じます。心地よさと回復をもたらすのが、手を使った看護「てあて」だと感じます。

よく訪問先の皆様とお話するのは、在宅の療養生活は、画期的に状態はよくならないかもしれませんが、例えると水前寺清子の365歩のマーチのように「3歩進んで2歩下がり、あら、1歩進んだね」これが、在宅療養の楽しさであり、嬉しさだと思います

あの東日本大震災の災害救護の場で、津波による低体温症になった高齢者の助けになったのは、「看護学生の手」であったという報告もあります。

(看護師は、サイレント集団なので、私たちは何ができるのか伝えられたらと

思います。)

看護師は化学的な知識と手のぬくもりを使い、その方そのものをとらえるアプローチをして、手で癒すことができると信じています だからこそ、皆さん。在宅に私たち、訪問看護師をよんでください!